Medvent Report がん医療セミナー ONCOLO Meets Cancer Experts (OMCE)2019 胃がん

【参加レポート】2019.11.22
がん医療セミナー ONCOLO Meets Cancer Experts (OMCE)2019 胃がん
山口 研成 先生 がん研究会有明病院 消化器化学療法科 部長
轟 浩美 認定NPO 法人『 希望の会』理事長
#オンコロ #がん医療セミナー

前回の大腸がんに続き、胃がん関連のセミナーに参加しました。一言でがんと言っても、ほんとに種類も多く難解で複雑です。山口先生からは、外来でよく聞かれることに答える形でのお話でした。セミナーの質問コーナーでの解答もあります。
質問①標準治療じゃなくて、その病院がやっている治療でお願いしたい
解答① 標準治療とは、化学的根拠に基づいた観点で現在最良のものであり、メリットが化学的に証明されてはじめて置き換わるもので、患者さんに推奨される治療。(病院によっては、患者さんの副作用の出方によっては使用するメインの薬が違ったりもすることもあるが)、いずれも個々の患者に合わせた最良の治療方法となる。(標準治療の成り立ち、ガイドライン説明あり)

質問②海外のものでも、個人輸入の薬、治療法でも私に効くものでお願いしたい
解答②国内外問わず、標準治療をとりいれている。民族的要因(環境、遺伝子の違い)による病状の違いはあるものの日本での治療は最高水準のもの。

質問③免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ)を使ってほしい
解答③三次治療でしか使えない。単独で使用する場合、抗がん剤とプラスで使用する場合によっても成績が違う。使用できる範囲が限られている。(ペンプロリズマブが単剤で承認される可能性あり)

質問④現在、乳がんの治療中だがピロリ菌も除去すべき? ⑤ゲノムスクリーニングで早期がんの発見はできる?
解答④ピロリ菌除去は、胃がんになる確率をさげるが、まずは乳がん治療を優先にする。⑤腫瘍マーカーがある程度でないと無理なので、早期診断ではNG。

轟さんからは、ご主人が胃がんなってしまわれたとき、ファーストプランで陥いりがちなこと(あらゆる医療本に飛びついて、玄米食にして悪化させてしまったり、にんじんジュースだけ飲ませたり)、夫婦で鬱になってしまうなど、具体的なお話を伺うことができて、きっと誰もがそうなるかもしれないと、とても身近に感じられました。

山口先生の講義において、レベルが高く難しいお話もありましたが、セミナーに回を重ねて参加することで、正しい情報と安心できる材料が増えていきます。山口先生の お言葉「諦めることをすすめているわけではない。うまくいかない時も現実を受け入れて、うまくつきあっていってほしい。ゆっくりでも確実に薬も治療も向上しています。」と。
抱えている不安が、ひとつでも消えますように😊